お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「い、いつの間に……!?」
ポスポスと自身の胸元を叩き、聖獣は目を白黒させる。
衝撃のあまり固まる白い虎を前に、私は
「そのモフモフに杖を隠しているのはゲームで知ってんのよ、バーーーカ!」
と、叫んだ。
『な、なんだと!?』と狼狽える聖獣を置いて、私はぐんぐんスピードを上げていく。
本当はこんな窃盗まがいの真似、したくなかったんだけど……まあ、受け渡しを渋るあっちが悪いよね。
本来の持ち主はヒロインなんだし、問題ないでしょう。
『大体、試練って何よ?』と文句を言いつつ、私は出口を目指す。
────と、ここで後ろからけたたましい足音が聞こえてきた。
「おい!そこ、止まれ!まだ話は終わっていない!というか、こんな展開認めない!」
物凄い速さで距離を詰めてくる聖獣は、『色々おかしい!』と批判する。
力ずくで杖を取り戻す気である白い虎に、私はニッコリと微笑んだ。
ポスポスと自身の胸元を叩き、聖獣は目を白黒させる。
衝撃のあまり固まる白い虎を前に、私は
「そのモフモフに杖を隠しているのはゲームで知ってんのよ、バーーーカ!」
と、叫んだ。
『な、なんだと!?』と狼狽える聖獣を置いて、私はぐんぐんスピードを上げていく。
本当はこんな窃盗まがいの真似、したくなかったんだけど……まあ、受け渡しを渋るあっちが悪いよね。
本来の持ち主はヒロインなんだし、問題ないでしょう。
『大体、試練って何よ?』と文句を言いつつ、私は出口を目指す。
────と、ここで後ろからけたたましい足音が聞こえてきた。
「おい!そこ、止まれ!まだ話は終わっていない!というか、こんな展開認めない!」
物凄い速さで距離を詰めてくる聖獣は、『色々おかしい!』と批判する。
力ずくで杖を取り戻す気である白い虎に、私はニッコリと微笑んだ。