お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
『ちょっと、おちょくり過ぎたか?』なんて思いながら、私は一度も足を止めることなく出口まで駆け抜ける。
そして、外で待っていた朱里へ抱きついた。
「ただいま〜!バッチリ、アイテム回収してきたよ〜!」
手に持った白い杖をブンブン振り回し、私は『ほら、見て見て!』と笑う。
すると、朱里はホッとしたような表情を浮かべ、こちらに手を伸ばした。
「おかえりなさい。ご無事で何よりです」
そっと私の頬を撫で、朱里は肩から力を抜く。
────と、ここで周辺の警戒に当たっていた男性陣が戻ってきた。
「おっ?もう戻ってきたのか!」
「思ったより、早かったな」
「お疲れ様」
思い思いの言葉を述べてこちらに来ると、洞窟に目を向ける。
聖獣の泣き声が微かに聞こえるのか、彼らは一様に首を傾げていた。
が、『光の乙女』の所持者じゃないと聖獣の言葉は分からないため、ただの空耳と判断したらしい。
直ぐに興味を無くした。
そして、外で待っていた朱里へ抱きついた。
「ただいま〜!バッチリ、アイテム回収してきたよ〜!」
手に持った白い杖をブンブン振り回し、私は『ほら、見て見て!』と笑う。
すると、朱里はホッとしたような表情を浮かべ、こちらに手を伸ばした。
「おかえりなさい。ご無事で何よりです」
そっと私の頬を撫で、朱里は肩から力を抜く。
────と、ここで周辺の警戒に当たっていた男性陣が戻ってきた。
「おっ?もう戻ってきたのか!」
「思ったより、早かったな」
「お疲れ様」
思い思いの言葉を述べてこちらに来ると、洞窟に目を向ける。
聖獣の泣き声が微かに聞こえるのか、彼らは一様に首を傾げていた。
が、『光の乙女』の所持者じゃないと聖獣の言葉は分からないため、ただの空耳と判断したらしい。
直ぐに興味を無くした。