お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
でも、きっと最後の一押しは……私じゃダメ。
ちゃんと彼を知っている人じゃないと。
『これ以上、魔王の心に踏み込めない』と考え、私はそっと妖精結晶のブレスレットを握った。
と同時に────ギフト『嘆きの亡霊』を発動する。
これは一時的にあの世とこの世を繋げることが出来るギフトで、死んだ者を呼び出せる。
ただし、相手に応じる意思がなければ現れないし、この場に居る者達と縁のある人物しか呼び出せない。
つまり、全然関係のない他国の初代皇帝などを呼び出すのは不可能ということ。
通常一人ずつしか呼び出せないんだけど、妖精結晶の効果を利用すればもっと多く呼び出せる筈。
ここら一帯に広がる霧を眺め、私は両手を組んだ。
『お願い、誰か来て』と心の底から願う中、ゆらりと霧が不自然に揺れる。
そして────
「「「ハデス……!」」」
────一気に十数人もの男女が、姿を現した。
と言っても、全員透明で実体はないけど。
ちゃんと彼を知っている人じゃないと。
『これ以上、魔王の心に踏み込めない』と考え、私はそっと妖精結晶のブレスレットを握った。
と同時に────ギフト『嘆きの亡霊』を発動する。
これは一時的にあの世とこの世を繋げることが出来るギフトで、死んだ者を呼び出せる。
ただし、相手に応じる意思がなければ現れないし、この場に居る者達と縁のある人物しか呼び出せない。
つまり、全然関係のない他国の初代皇帝などを呼び出すのは不可能ということ。
通常一人ずつしか呼び出せないんだけど、妖精結晶の効果を利用すればもっと多く呼び出せる筈。
ここら一帯に広がる霧を眺め、私は両手を組んだ。
『お願い、誰か来て』と心の底から願う中、ゆらりと霧が不自然に揺れる。
そして────
「「「ハデス……!」」」
────一気に十数人もの男女が、姿を現した。
と言っても、全員透明で実体はないけど。