お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「そうか。まあ、そのうち慣れるだろ。これから毎年、同じ光景を目の当たりにするんだから」
「えっ?毎年……ですか?」
『壁紙やタイルを新品に交換するほどの大掛かりなことを?』と疑問に思い、私は思わず聞き返す。
すると、兄はあっけからんとした様子で首を縦に振った。
「当たり前だろ。同じものを使い回しなんて、公爵家の威厳に関わる」
『貧乏だと思われたら、どうするんだ』と遠回しに主張し、小さく肩を竦める。
そんな彼を前に、私は目から鱗が落ちるという経験を初めてした。
なるほど。パーティーにどれだけお金を掛けるかによって、周囲からの評価が変わるって訳ね。
なら、恥を掻かないよう豪華にしないと……とは思うけど、やっぱり心臓に悪い。
まあ、精一杯頑張るけど。
『節約こそ、正義!』という価値観で育ったからか、どうも大金を動かすことに抵抗がある。
でも、今回ばかりは必要経費だと思って割り切るべきだろう。
「えっ?毎年……ですか?」
『壁紙やタイルを新品に交換するほどの大掛かりなことを?』と疑問に思い、私は思わず聞き返す。
すると、兄はあっけからんとした様子で首を縦に振った。
「当たり前だろ。同じものを使い回しなんて、公爵家の威厳に関わる」
『貧乏だと思われたら、どうするんだ』と遠回しに主張し、小さく肩を竦める。
そんな彼を前に、私は目から鱗が落ちるという経験を初めてした。
なるほど。パーティーにどれだけお金を掛けるかによって、周囲からの評価が変わるって訳ね。
なら、恥を掻かないよう豪華にしないと……とは思うけど、やっぱり心臓に悪い。
まあ、精一杯頑張るけど。
『節約こそ、正義!』という価値観で育ったからか、どうも大金を動かすことに抵抗がある。
でも、今回ばかりは必要経費だと思って割り切るべきだろう。