お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
終戦
◇◆◇◆
「だからね、アカリが『嘆きの亡霊』を使って私を呼び出そうとしてくれた時、とても嬉しかった。でも、貴方のことだから自分の体を譲ろうとすると思って……行けなかったの」
ちょっと寂しげな表情を浮かべ、リディアはコツンッと額同士を合わせた。
「本当はアカリが天寿を全うして、こちらに来てからたくさん関わろうと思っていたわ。でも、黒髪の男性のことが……魔王のことがあって、ここへ来たの」
そっと額を離し、至近距離でこちらを見つめるリディアはうんと目を細める。
「完全に予定が狂ってしまったけど、貴方にこうして会えてとても嬉しいわ」
はしゃぐような声でそう言い、リディアは蕩けるような笑みを浮かべた。
幸せで幸せでしょうがないといった素振りを見せながら、そっと私の手を握る。
ここに存在することを確かめるかのように。
「だからね、アカリが『嘆きの亡霊』を使って私を呼び出そうとしてくれた時、とても嬉しかった。でも、貴方のことだから自分の体を譲ろうとすると思って……行けなかったの」
ちょっと寂しげな表情を浮かべ、リディアはコツンッと額同士を合わせた。
「本当はアカリが天寿を全うして、こちらに来てからたくさん関わろうと思っていたわ。でも、黒髪の男性のことが……魔王のことがあって、ここへ来たの」
そっと額を離し、至近距離でこちらを見つめるリディアはうんと目を細める。
「完全に予定が狂ってしまったけど、貴方にこうして会えてとても嬉しいわ」
はしゃぐような声でそう言い、リディアは蕩けるような笑みを浮かべた。
幸せで幸せでしょうがないといった素振りを見せながら、そっと私の手を握る。
ここに存在することを確かめるかのように。