お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
言いたいことも、やってあげたいことも沢山あるけど────それは後に取っておく。
せっかく貰った第二の人生、無駄には出来ないから。
『本当は天国に居る貴方の元まで飛んでいきたいのだけどね』と肩を竦め、私は鏡越しにあの子へ触れた。
タンザナイトの瞳を真っ直ぐ見つめ返し、微かに笑う。
「リディア・ルース・グレンジャーの体と命、確かに頂戴しました。貴方の願いを叶えて必ず幸せになるから、どうか見ていて。後悔はさせないから」
確かな意志と覚悟を持って宣言し、私は止めどなく流れる涙を手で拭った。
『いつか、私に人生を預けて正解だったと思って貰えるよう頑張ろう』と、意気込みながら。
────こうして、私は山下朱理としての人生を終え、新たにリディア・ルース・グレンジャーの人生を送ることになった……のだが、問題は山積みだった。
せっかく貰った第二の人生、無駄には出来ないから。
『本当は天国に居る貴方の元まで飛んでいきたいのだけどね』と肩を竦め、私は鏡越しにあの子へ触れた。
タンザナイトの瞳を真っ直ぐ見つめ返し、微かに笑う。
「リディア・ルース・グレンジャーの体と命、確かに頂戴しました。貴方の願いを叶えて必ず幸せになるから、どうか見ていて。後悔はさせないから」
確かな意志と覚悟を持って宣言し、私は止めどなく流れる涙を手で拭った。
『いつか、私に人生を預けて正解だったと思って貰えるよう頑張ろう』と、意気込みながら。
────こうして、私は山下朱理としての人生を終え、新たにリディア・ルース・グレンジャーの人生を送ることになった……のだが、問題は山積みだった。