契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「うん、今初めて知った」
《ねぇ、こんなことができるのって、橘さんしか思い当たらないんだけど、なにも聞いてないの?》
「今、出張で中国に行ってて、明日帰ってくるの。でも、そんな話はなにも」
《そうなんだ。でも、橘さんしかいないよ、絶対にそう》
姉の言う通り、こんなことしてくれるのは蓮斗さんくらいしかいない。でも、急な知らせにただただ動揺が広がる。
「ちょっと、蓮斗さんに確認してみる。また折り返し連絡するね」
姉との通話を終え、そのまま蓮斗さんへ電話をかける。
呼び出し音が繰り返されるのを聞きながら、もしかしたら仕事中なのかもしれないと思う。こんなに急に電話をかけてしまったら迷惑かもしれない。
《はい。澪花?》
そんなことを思っていた時、スマートフォンから蓮斗さんの声が聞こえてくる。
繋がらないと思って諦めかけたところで通じて、どきりと心臓が跳ねた。
「ごめんなさい、急に電話して。今、大丈夫ですか? お仕事中ですよね」
《いや、今日はもうオフだ》
「そうでしたか。あの、お聞きしたいことがありまして……」
《どうした?》