契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「悪い、気にさせたな」
「ぜんぜん、悪くなんてないです。なにか……ありましたか?」
思い返せば、明らかに食事会に出向く前と後で様子が違う。
「俺が親なら、我が子が結婚したいと心に決めた相手に会ってくれと言われたら嬉しい」
唐突に始まった話に耳を傾ける。
「でも、やっぱりあの人たちにはそういう感情はないことが改めてわかった」
「蓮斗さん……それは、私がちゃんとできなかったから」
「違うよ、澪花はなにも関係ない。これは、俺と両親の問題なんだ。むしろ、その問題に澪花を巻き込んでしまった。居心地が悪かったと思う」
蓮斗さんは「ごめん」と謝った。
「いえ、謝らないでください」
「両親とはもともと不仲な上、ここ数年はそれが悪化している」
「え……それは?」