契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


 腕を解いた蓮斗さんが優しく「澪花」と名前を呼んで私を覗き込む。

 彼の端整な顔に胸が締め付けられながら、迫る唇を受け入れた。

 好きだと自覚したら、もっと彼に求められたいという欲が溢れ出してくる。


「澪花」


 どこか感情が昂ったような声で私を呼んだ蓮斗さんは、そのまま私を抱き上げ立ち上がる。


「蓮斗さん……?」


 横抱きにした私を運んでいったのはふたりのベッドルームで、蓮斗さんはそのまま私ごとベッドに上がった。


「澪花」


 ベッドの上で向かい合い、高まる緊張に「はい」と礼儀正しく返事をしてしまう。

 たぶん、この場ではそんな反応は不正解で、蓮斗さんはふっと息をつきように笑いながら私の唇を塞いだ。

 蓮斗さんとの口づけももう何度目かだけれど、未だに慣れない私は肩を揺らす。

 そんな肩に触れた大きな手が腕をたどり、指先を掴んで重なった。


「君の、すべてが欲しい」


 熱を灯した目で見つめられたと思った時には、深く唇が重なり合っていた。

 窺うように侵入した舌先を受け入れ、自ら触れ合いにいく。

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