契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「……っ、ん……」
口の端から行き場に困った吐息が漏れ出始めると、蓮斗さんの濡れた唇が顎を、首筋を這っていく。
そのまま耳朶にキスを落とされると、彼の手を両手で掴みぎゅっと握りしめていた。
私に捕まっていない方の彼の手がワンピースのファスナーに取りかかる。
「蓮斗さん」
私の呼びかけにすかさず彼の手が止まる。
確かめるように見つめ合って、小さく横に首を振った。
「ごめんなさい。少し、緊張しているだけで……」
規則的に高鳴る鼓動に全身が包まれている。彼に触れられることの期待と不安で心臓は忙しい。
蓮斗さんは優しい手つきで私の頭をそっと撫でた。
「わかってる。無理はしなくていい」
耳元でそう囁かれ、安堵と共に気持ちが昂る。
「無理なんてしてないです。早く、蓮斗さんのものにしてください」
この先の展開に、心臓は過去にないほど高鳴りを増している。
だけどそれ以上に、彼に触れてほしい、彼のものになりたいという想いの方が強まっている。
「煽らないでくれ」
どこか余裕をなくした声を出した蓮斗さんは、手早くファスナーを下ろし、肩からワンピースを落とす。
露わになった素肌に口づけ、そのままベッドに横たわらせた。