契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


 蓮斗さんを思い、そして私を若い頃の自分と重ね合わせ、お義母様なりに私たちと向き合っていたのだ。

 私自身も、お義母様のおかげで気づけた気持ちがある。


「澪花さん。あなたを見ていて、蓮斗があなたに惹かれた理由もわかっていたのよ。家柄が違おうと、あなたは蓮斗に倒れ掛かってくる女性ではないことも、どこかでわかっていたわ。それなのに、素直に認められなかった私を、許してくれるの?」


 お義母様からの言葉に、とうとう溜まっていた涙が溢れ出してしまう。

 横に首を振りながら「許すだなんて」と震える声を絞り出した。


「ご迷惑をおかけすることも、あるかもしれません。でも、私の気持ちは変わりません。蓮斗さんを、生涯支えさせてください」


 私からの言葉を受け、お義母様とお義父様が見つめ合う。お義父様が小さく頷くと、お義母様は柔らかく微笑んだ。


「澪花さん。息子を、蓮斗を、よろしくお願いします」


 改まったお義父様の言葉に、お義母様の目にも涙が浮かんでいるのを目撃する。

 キラキラと光った目と目が合い、お義母様が初めて私に笑みを向けてくれた。

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