契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


 週末、土曜日。

 ちょうどお義父様とお義母様と話をした晩、蓮斗さんから週末の予定を伺われた。

 久しぶりにゆっくり食事にでも行こうというお誘いで、喜んで承諾した。

 行き先は以前に連れていってもらったオーベルジュ。

 まだ蓮斗さんと知り合って間もない頃で、緊張しながら出かけたことを懐かしく思い出した。


「今日は暖かいな」

「そうですね。いい陽気です」


 オーベルジュに向かう車内から外を眺めても、道行く人は羽織ものを手に持っていたり、春らしい軽装の人ばかり。

 私も今日はクリーム色のクラシカルなレースワンピースのコーディネート。ハイネックデザインで上品な印象だけど、レースの透け感が色っぽさもある魅力的な一着だ。

 ヘアスタイルは首元のレースハイネックを引き立てるためにフルアップでまとめてきた。

 蓮斗さんも、今日は休日でもスーツをきっちり着こなしている。

 普段とは違う艶感のあるブラックスーツはエレガントで蓮斗さんによく似合う。出かける準備をしている時から素敵で密かにドキドキしていたのは内緒だ。

 オーベルジュに到着すると、前回同様車のまま門をくぐり車は真っすぐ緑豊かな敷地を走っていく。

 前回来た真冬の時とは違う春のガーデンに目を奪われる。

 木々は青々とした葉をつけ、芝生の緑の絨毯はどこまでも続く。色とりどりの花たちはここぞとばかりに花を咲かせ、どこを見ても鮮やかだ。

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