契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
エピローグ
光の差し込む明るい大部屋には、純白のウエディングドレスをまとったマネキンが等間隔に飾られている。
ぐるりと一周見られるようになっていて、一体ずつじっくりと眺めていく。
蓮斗さんと正式な夫婦となって、早二カ月。
お互いの気持ちを伝えあって再スタートをした結婚生活は、幸せで順調な毎日。
今日は、十月に予定している挙式で着るウエディングドレスを見に、蓮斗さんと『HOTEL TACHIBANA』を訪れている。
義両親たっての希望もあり、挙式披露宴はここで執り行うことを決めた。
『HOTEL TACHIBANA』の挙式披露宴といえば、誰もが憧れる豪華結婚式の代表格。
各界の著名人も挙式披露宴を挙げることで広く認知されているし、憧れのウエディングとしてメディアでも取り上げられる歴史ある式場だ。
一般家庭から橘に嫁いだ私にとっては、ここで式を挙げること自体が夢のような話だ。
ウエディングドレスひとつ選ぶにしても、こんなイベント会場のように広いスペースでゆっくり見ることができるのだ。
「これも素敵……」
Aラインのビスチェタイプのウエディングドレスは、腕から胸元一帯がレースのフリルのデザインになっていて柔らかい印象を与える。何重にも重ねられたチュール素材のドレス表面には、よく見ると花の刺繍が入っているデザインだ。
「澪花には、こっちの華やかなドレスも似合うだろうな」
一緒にドレスを見てまわる蓮斗さんは、となりのドレスに目を向けている。
プリンセスラインのドレスは、ドレス全体がレースのデザインになっていて目を引く華やかさだ。