契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「なに言ってるの、マーメイドラインのドレスは着る人を選ぶのよ? 澪花さんは絶対似合うわ。そんなところで束縛夫発揮しないで」
「澪花のスタイルがいいことを知ってるのは俺だけで十分。多くの招待客の前で披露する必要はないということ」
「結婚式は新婦が主役も同然よ? 美しさが引き立って何が悪いの」
なぜだかドレス選びで親子の言い合いが始まり、慌てて「あのっ」と声を上げた。
「私は、どれも素敵で着てみたいので、皆さんの意見を参考に決められたらと……」
口を挟むのは申し訳ないと思いつつ、角が立たないように提案してみる。
お義母様が素敵なマーメイドドレスを私に着てほしいと言ってくれたことも嬉しいし、蓮斗さんがドレス姿を慎重に検討してくれていることも嬉しい。
「そうよね、澪花さん。ほら、蓮斗、澪花さんだって──」
穏便に話をまとめようとしたものの、お義母様と蓮斗さんの言い合いは続き、私は微笑みながら静かにふたりを見守っていた。