契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
ドレス見学を終えると、お義母様は次の予定があり「また連絡するわ」と立ち去っていった。
「澪花、チャペルを見に行ってみよう。まだ見たことないだろう?」
「はい、まだ本物はないです。見たい!」
『HOTEL TACHIBANA』のチャペルは、ホテルから海に向かって伸びた独創的な造りで、〝海と空のチャペル〟と呼ばれている。
バージンロードから真っ直ぐ正面には、海と空の境界線を臨むことができる。季節や天気、時刻によって様々な表情を見せるのも魅力的だそうだ。
「今、ちょうどチャペルが空いているらしいから、今ならじっくり見られる」
ホテルからチャペルへと向かう廊下を歩いていくと、少し前に挙式があったらしく、招待客らしき人々とすれ違う。
これからホテル内の披露宴会場に向かうのだろう。
チャペル入り口に到着すると、中ではスタッフたちがいそいそと片付けや清掃を行っていた。
蓮斗さんが現れると、みんな手を止め頭を下げる。
「澪花、おいで」
蓮斗さんが私の背に手を添え、腰を抱いてエスコートしてくれる。優しい眼差しと目が合い、きゅんと胸が震えた。