契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「んー……」
その日の晩。
蓮斗さんに借りたタブレット端末を手に、ベッドに転がりながら眺めているのは昼間間近で見てきたウエディングドレスたち。
結局今日の限られた時間では決めることができず、後日また決めにいくことになった。
実物は今日見て候補は絞ってきたから、あとは決めるだけだけれどなかなか絞れない。
ウエディングドレス以外にも披露宴で衣装直しするカラードレスも選ばなくてはならないし、決めることはまだまだ山積みだ。
「起きてたか」
タブレットと睨めっこをしていると、寝室のドアが開き蓮斗さんが顔を出す。さっきまではスーツ姿のままだったけれど、今はリラックスしたTシャツの部屋着姿だ。
今日はウエディングドレスとチャペルの見学の後、蓮斗さんは仕事に戻っていた。
「はい。お仕事は終わりましたか?」
「ああ、もう今日は終わりだ」
「お疲れ様です」
私のとなりにやってきた蓮斗さんは、見ているタブレットの画面をのぞき込む。
「決められそうか?」
「そうですね……まだ悩んでます」
「澪花の一番着たいドレスを選べばいい。それだけだ」
「そうですけど……」
自分の希望よりも、やっぱり蓮斗さんやお義母様がいいと言ったものを選びたい気持ちが強い。
「澪花のことだから、俺や母がいいと言ったものがいいんじゃないかと思っているんだろう?」
私の思考が完全に読まれていて驚く。
それが顔に出てしまったのか、蓮斗さんは「やっぱりな」と笑った。