契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「周りの意見も大事だけど、着るのは澪花なんだ。澪花が決めたドレスを俺は着てもらいたい」
「そうですよね。でも、私はどれも着てみたくて、本当に悩んでいるというか……だから、蓮斗さんやお義母様が客観的に見ていいと思ったものを着られたらなって考えているんですけど、それでも悩んでしまっていて……」
タブレットを操作して、蓮斗さんが似合うと言ってくれたドレス、お義母様が似合うと言ってくれたドレスを眺める。
蓮斗さんがとなりでふっと笑った。
「澪花がどれも着てみたいなら、選んだものすべて着ればいい」
「えぇ? 全部って、そんなことは」
「お色直しの回数を増やせばいいだろう。披露宴の時間も対応できる。ウエディングフォトもすべて撮影すればいい」
普通はありえないことをさらっと言われて、蓮斗さんがすごい人だったことを改めて再確認する。
蓮斗さんは「そうしよう」と言って私の手からタブレット端末を抜き取った。
「蓮斗さん、でも、そんな贅沢なこと」
「俺が見たいと言ったら、着てくれるだろう?」
そんな言い方をされたら、それ以上なにも言えない。
蓮斗さんはそれをわかっていて、わざとそんな言い方をしているのだ。
だから私も「わかりました」と微笑む。
「でも、もう少し考えてみますね」
「ああ、わかった」