契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


 明日は、いよいよ挙式披露宴本番。

 数カ月前から準備をはじめ、あっという間に前日になってしまった。

 澪花と過ごす日々は穏やかで楽しくて、毎日が幸せに包まれている。

 明日は澪花にとって最高の一日になるようにしたい。

 着替えを済ませリビングに戻ると、澪花は紅茶を置いたソファ席のそばになぜか立って待っていた。


「どうした」


 不思議に思いながら声をかける。

 澪花はどこか真面目な顔つきで「蓮斗さん」と俺を呼んだ。


「お話が、ありまして……」

「話? どうかしたか」


 改まった様子で話があるなんて言われて、つい身構える。

 澪花はじっと俺の目を見つめると、どこか意を決したように「あの」と口を開いた。


「これを……」


 後ろに隠していた手が持っていたものに、思わず目を見開いた。


「数日前、検査をしたら、陽性で……」


 澪花の手にあったのは、初めて実物を見る妊娠検査薬。

 手渡されたそれは、真ん中の小窓に二本の線が入っている。


「陽性……え、じゃあ、澪花のお腹に、俺たちの子が?」

「はい」


 突然の、なんの予告もない報告に動悸が生じる。

 すかさず澪花の肩を抱き、すぐそばのソファに腰を下ろさせた。そして、横から優しく引き寄せる。

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