契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
「でも、妊娠しているかもと思ったのは?」
「ここのところ、結婚式のことなどで忙しくしていて気にもしていなかったんですけど、生理がきてないなって気がついて。もう一カ月にもなったので、もしかしたらって調べてみたんです」
手元に置いた妊娠検査薬に目を落とす。くっきりと出た二本の線を見て、澪花はなにを思っただろう。今、俺が感じているような感情を抱いただろうか。
「新しい命が、ここに……」
澪花のお腹にそっと手をのせる。
その上に重ねるようにして彼女の手が触れた。
「はい。嬉しいです、とても」
長いまつ毛を伏せて、にっこりと微笑む澪花はいつにも増して優しい表情をしている。
彼女の顔を見つめ、改めて澪花に出会えて、好きになって良かったと思った。
「澪花も、このお腹に誕生した子も、必ず幸せにする」
「蓮斗さん……。私も、蓮斗さんと、この子を幸せにします」
見つめ合って微笑み合い、胸がいっぱいになる。
感動と喜びと、幸福しかない感情の中でしばらく澪花を抱きしめていた。