契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
挙式当日は空も祝福しているような快晴で雲ひとつ見当たらなかった。
招待客がチャペルに案内されたあと、プランナーが控え室に声をかけにくる。
いよいよ挙式が始まる知らせに、純白のウエディングドレスに身を包んだ澪花はどこか緊張しているような面持ちをしていた。
「大丈夫か? 苦しくはないか」
どうしても昨日の報告で澪花の体調が気になる。
話を聞いた後、妊娠した女性の体について調べた。妊娠初期は無理をすれば流産する可能性もあるらしく、そんな内容を目にしたら余計心配が増してしまった。
「大丈夫です。緩めに着せてもらったので、予定よりちょっとお腹周りとか締まりがないシルエットかもしれませんが」
控え室を出てチャペルへと向かいながら、澪花はそんなことを言って笑う。
「まったく問題ない。むしろ緩いくらいが安心だ」
先導していたプランナーがチャペルの手前で「こちらでお待ちください」と離れていく。インカムで中のスタッフと進行の確認を始めた様子に、入場まであとわずかな時間だと雰囲気で感じ取った。