契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
元通りの自分に戻ると、気持ちも現実に一気に引き戻され、着て帰ってきたドレスの支払いで頭がいっぱいになった。
調べてみると、普段自分が着るような服とはゼロの数がふたつも多いハイブランドのドレス。
返済中の借金の他に出費が出るのは痛手だけど、自分が招いた出来事の結果だから仕方ない。今日の帰りにホテルに寄って支払いをしてこようと思っている。
私がそんなことになっていたとも知らなかった姉は、私が到着した頃、待ちながらパーティー会場内で食事を楽しんでいたという。
会場内まで届けに行ったものの、たどり着く前にトラブルを起こし届けられなかったと事情を話した。
ポーチは持っておきたかったけれど、完璧なメイクで挑んだおかげで結局そこまで直す必要はなかったと言っていたから結果オーライだった。
「千葉さん、受付に来客だって」
同じ部署の同僚から内線の知らせを受け手を止める。
ついでにお昼休憩を先に行ってきていいと言われ、財布を持って部署を後にした。