契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】
3、契約妻になる決意
「あんな大企業の御曹司って、どんなところに連れていってくれるんだろうね? 想像もつかわないわ」
あっという間に週末を迎え、約束の土曜日になった。
姉にはどのタイミングで橘さんのことを話そうかと悩んで、昨晩食卓を囲みながら話を切り出した。
パーティー会場で親切にしてもらった方と縁があり、お付き合いから婚約することになったと話した。
もちろん、母同様、姉にも余計な心配はかけたくない。契約結婚ということは伏せ、純粋に結婚するということにした。
あのTACHIBANAでのクリスマスパーティーから約一カ月。
まさにスピード婚という勢いで打ち明けられた姉は驚いていた。
しかも、そのお相手が『HOTEL TACHIBANA』の御曹司なのだ。
でも、それよりなにより姉は自分のことのように喜んでくれていた。
父親や以前に付き合った人のことで男性を避けて生きてきた私に、結婚をしたいと思える相手が現れたこと。
何度も「良かった」と言って、安堵の表情を覗かせた。
「うん。どうなんだろう、想像もつかない」
今日の約束については、橘社長から特になにも言われていない。
十一時に迎えにくるとだけ連絡がきただけだ。