契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


「鍵はカードもあるけれど、指紋認証にも対応してる」


 そう言いながら本当に指紋でドアを解錠した。


「澪花もあとで指紋の登録をしておこう」

「は、はい」


 さっきから驚きの連続で返事もままならない。

 開いたドアの向こうには広い玄関が覗く。床は白いマーブル柄の大理石で、正面には天井までの高いシューズボックス。壁も収納も白く明るい印象の玄関だ。

 室内に上がると床は深みのあるブラウンの木製に切り替わる。


「お邪魔、します。えっ……嘘、すごい」


 玄関を上がってすぐの廊下の目の前には、ガラス張りの先にテラスが広がり、なんとそこにはプールがある。

 入ってすぐの光景に呆然としていると、蓮斗さんは廊下を左に折れる。その先にあるドアを開くと、その先は広々としたリビングダイニングが現れた。

 右奥にダイニングとリビングが広がり、入って左奥が対面式のカウンターキッチン。

 リビングの奥側もバルコニーになっていて、リビングダイニングは手前のプール側とⅬ字型にバルコニーに面していて非常に明るい間取りだ。


「反対側の部屋も見に行こう」

「あ、はい」


 リビングダイニングを出て、再び玄関前の廊下へ。改めてプールがあるバルコニーに目を奪われる。

 玄関を背にして右手に進むと、正面と左手前にドアがひとつずつあった。

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