契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


* * *


 用意した新居を澪花に案内した翌日。

 昼過ぎから、ホテル隣接の自社ビルでオンライン会議に出席していた。

 その後のスケジュールが夕方まで空きだったのをみて、澪花の母が入院している総合病院へと足を運んだ。

 友人でもある主治医に会い、手術の礼と、改めて澪花の母のことをよろしく頼むとお願いしてきた。


「橘さん……?」


 その帰り、病院のエントランス付近で声をかけられた。

 振り返ると、そこには澪花のお姉さん、萌花さんの姿が。


「こんにちは」


 頭を下げると彼女の方も深々と頭を下げた。

 うちのホテル内に入るカフェでバリスタをしている萌花さんのことは、カフェが自社のものではない外部チェーン店のため知ることがなかった。

 澪花の自宅に迎えに行った時に初めて顔を合わせ、挨拶をさせてもらったのが初めてだ。


「澪花から聞きました。昨日のオペも駆け付けていただいたようで。ありがとうございました」

「いえ。無事成功して良かったです、本当に」

「はい、本当にありがとうございました」


 やはり姉妹だ。澪花同様、お姉さんも律儀な人のようだ。

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