契約夫婦はここまで、この先は一生溺愛です~エリート御曹司はひたすら愛して逃がさない~【極甘婚シリーズ】


「その方と別れたのは、うちの家庭の事情が原因だったんですが……でも、それでもひどい付き合いで。澪花、それからもう二度と男性とはお付き合いもしないし、もちろん生涯ひとりで生きていくって言っていたので……」


 そこまで考えが傾くなんて、相当なことがないと有り得ない。男性恐怖症という状態に近いのではないか。

 でも、道端でばったり会ってあの様子では、付き合っていた頃はひどい扱いを受けていたことは想像がつく。


「だから、澪花から橘さんの話を聞いた時、驚いたけど本当に私も嬉しくて。澪花から、結婚なんて言葉、聞けると思ってなかったので。澪花、橘さんに出会えて、本当に良かった」


 萌花さんは自分のことのように喜びを口にする。

 話をしているうちに、契約結婚の罪悪感よりも、澪花の傷を自分にどう癒していけるかを考え始めていた。

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