蝶と柊 ~冷たくて甘い君~
間違いない、凪沙だ…!
「真優~!!」
ドアから入ってきて私を見つけるやいなや、全力でそう叫んで走ってくる彼女。
こんなにかわいいのに、本当に何故か凪沙には彼氏がいない。
なんでこんなかわいい子を男子はほっとくのよ。
明るめの茶色に染められたボブの髪。
いつもは内巻きにまとめられているけど、今日はかなり走ってきたのか乱れている。
「凪沙…!!」
昨日ぶりの再会とはいえ、思わずぎゅっと固くハグをする。
私の耳元で、彼女はこう続けた。
「すごく心配だった、何回電話しても出ないから、真優に何かあったのかと思った…」
「え?」