こわがりちゃんとサイキョーくん!①
「熱でもあんのか?」
「あ、ありあり、ありません!」
千景くんが、わたしのおデコに手をおく。
予想しなかったことに、思わず顔を赤くしてしまった。
すると、それに気づいた千景くんも……。
「お前、なんで赤くなってんだよ!」
「ち、千景くんこそッ」
「俺はいつも通りだろ!」
「そんな事ないよ! タコみたいに顔が真っ赤だよ!」
「誰がタコだ!」と、再び魔王に戻った千景くん。
すると、その時。
ボワン
いきなり白いけむりが現れ、千景くんがのみ込まれる。
しゅうぅぅ、とけむりが晴れた後、そこにいたのは――
「ニャー」
「ネコ千景くん……こんにちニャ」
すっごくフキゲンそうな黒猫ちゃん。
ネコ千景くんの、ご登場だ。
「さっきの言葉にムカついたから、お前の顔面でツメといでやるからな」
「ひぃっ!?」
ごめんなさい!と、ネコ千景くんにあやまる。
だけど正直、助かったかも。
だって、さっき変な空気になったっていうか……。
――ありがと、小羽
――熱でもあんのか?
「~っ」
ネコ千景くんにバレないように、赤くなった顔にパタパタと風を送る。
今日のわたし、なんか変だ!