こわがりちゃんとサイキョーくん!①
ポツ、ポツ
キキの予言通り、雨が降り始めちゃった!
「わー! 雨だ! しかもメチャ激しいやつだよー!」
「主! 急いで帰りましょう!」
「そうだけど……でも!」
仔猫を見る。
すると仔猫は、まだまだ一生懸命バナナにかぶりついていた。
いずれ満腹になるだろうけど……。
あの小ささで雨に打たれたら、寒くてこごえちゃうよ!
「キキ、わたしのランドセルから下敷きを出してくれる?」
「はい!」
キキに下敷きを出してもらってる間に、スカートのポケットに入ったハンカチとティッシュを取り出す。
「主、下敷きです!」
「ありがとう!」
仔猫の下に、ポケットティッシュを、まるごと一つ置く。そして、仔猫にハンカチをかけた。
あとは、下敷きを上手くたてれば……よし。
即席の雨宿り、できあがり!
「これで濡れないよ!」
「……」
自分の下や上を、キョロキョロ見ている仔猫。
そして、どうやら自分に害をなすものではないと分かると、再びわたしをジッと見つめた。