こわがりちゃんとサイキョーくん!①

「千景くんが祓い屋だから狙われたのかなぁ?」
「は?」

「妖怪は、祓い屋と一般人の見分けがつくんだね。
 それで、祓い屋である千景くんを狙って呪いを、」
「……なぁ」

 ネコ千景くんが、自分の肉球をポムポム私の膝に押し当てる。

 や、やわらかい……!
 突然の癒しに、頭がぽややんとなる。
 そうか、これが「脳がとける」って事なんだね!

 だけど、次に聞こえたのは――

「俺、祓い屋じゃねーけど?」
「へ?」

 溶けた脳が、すごいいきおいで元の形に固まっていく。
 えっと……今、なんて言った?

「千景くんは、祓い屋なんだよね?」
「だから、ちげーって。
 俺は、ただの、一般人」

 まるで自慢するように、二本足で立ち上がるネコ千景くん。
 ネコが二本足で立ってるのも衝撃だけど……。
 千景くんが祓い屋じゃない方が、何倍も衝撃的だよ!

「えぇ!? 千景くんが祓い屋じゃない!?
 なんで今まで言ってくれなかったのー!?」
「知らねーよ! お前が勝手に勘違いしたんだろーが!」
「そうなんだけど、そうじゃなくて!」
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