こわがりちゃんとサイキョーくん!①

 でも千景くんが祓い屋じゃないなら、アレはどう説明するの!?

「あの【滅】は?【結界】は!?
 千景くんが祓い屋だから出来るんじゃないの!?」

 だけど千景くんは、首をフルフルと振った。
 オーマイガー。どうやら違うらしい。

「呪いを受けた日から、呪ったヤツに仕返しをしようと思って、死ぬ気で練習した。
 自主勉だ。じーしゅーべーん」
「つ、つまりは呪い返し……!」

 呪った相手を呪い返してやる!っていうアレだ!
 いやいや、その前に。
 一般人が【滅】や【結界】が使えるようになるって、自主勉すごすぎない!?

「なんたるド根性……!」
「ふん。全然うれしくねーな」

 それに――と千景くん。

「オレは元々“視える”タイプだからな。そういう奴は祓う素質があるんだろ。
 だからお前もさ。視えるんなら、練習次第で技が身につくと思うぞ?」
「祓う技……。わたしに必要かなぁ?」

「妖怪の気持ちに寄り添う【浄化】だけじゃ、そのうち限界がくるぜ。
 前も言ったろ? 妖怪は、全部が良い奴じゃねぇ。
 力づくでおさえ込まねーといけない時があるんだ」
「う……」
< 85 / 124 >

この作品をシェア

pagetop