こわがりちゃんとサイキョーくん!①
でも千景くんが祓い屋じゃないなら、アレはどう説明するの!?
「あの【滅】は?【結界】は!?
千景くんが祓い屋だから出来るんじゃないの!?」
だけど千景くんは、首をフルフルと振った。
オーマイガー。どうやら違うらしい。
「呪いを受けた日から、呪ったヤツに仕返しをしようと思って、死ぬ気で練習した。
自主勉だ。じーしゅーべーん」
「つ、つまりは呪い返し……!」
呪った相手を呪い返してやる!っていうアレだ!
いやいや、その前に。
一般人が【滅】や【結界】が使えるようになるって、自主勉すごすぎない!?
「なんたるド根性……!」
「ふん。全然うれしくねーな」
それに――と千景くん。
「オレは元々“視える”タイプだからな。そういう奴は祓う素質があるんだろ。
だからお前もさ。視えるんなら、練習次第で技が身につくと思うぞ?」
「祓う技……。わたしに必要かなぁ?」
「妖怪の気持ちに寄り添う【浄化】だけじゃ、そのうち限界がくるぜ。
前も言ったろ? 妖怪は、全部が良い奴じゃねぇ。
力づくでおさえ込まねーといけない時があるんだ」
「う……」