こわがりちゃんとサイキョーくん!①

 実際に呪いをかけられた人の言葉には重みがある。
 思えばわたし、今まで「運良く」無事だっただけで……。
 千景くんのように、技を覚えないといけないのかもしれない。

 するとわたしと千景くんの間に、シュタッとキキが舞い降りる。

「主の安全なら、心配ご無用。
 僕がそばにいる限りは、主には指一本……いや、妖気の一筋すら、近づけさせません!」
「キキ……」

 頼もしい。まるでボディーガード付きのお姫様な気分だよ!
 現実は、もっと生々しいけど……!

「おい小羽。昨日、俺が話したことを覚えてるか?」
「昨日……」

――心配されるのがイヤな奴なんて、いんの?
――たまには心配されんのも悪くねーな

「あぁ、〝心配してもらえるのがうれしい〟って話だっけ?」
「!」

 すると、ネコ千景くんは、ポポポッと顔を赤くした。
 黒猫なのに、なぜか赤が浮かんで見えるという不思議。
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