こわがりちゃんとサイキョーくん!①

「独学で得た【払い】なら、跳ね返せるかもしれないがな?」
「なら試しにやってみるか?」

 バチバチと、キレイな火花が舞う。
 だけど……そんなことをしてる場合じゃないんだってば!

「二人共! 今やるべきことは、妖怪をさが、――!」

 その時。
 わたしの耳に、とつぜん。
 ザザザと、砂嵐に似た声が聞こえた。

『みつ、けた……』

「ぬ!?」
「きたな」

 それを耳にした瞬間。
 警戒したキキが、わたしの前に来て毛を逆立てる。
 同じように、ネコ千景くんもキキの隣に並んだ。

「この感じ……間違いない。学校を包む、悪い“気”の元だ。
 しかも、ただの妖怪じゃねぇ。この禍々しい妖気は――
 大妖怪だ」
「大妖怪!?」

 ビリビリと、痛いほど空気が揺れる。
 いっこうに鳥肌がひかない。

「まだ妖怪の”声”しか聞こえないのに、この威圧感……っ」

 まるで、かなしばりにあっているみたい……!

 すると、ネコ千景くんがわたしを押した。
 かわいい前足で。爪をグリグリたてながら。
 ちょ、痛いんですけど!?
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