こわがりちゃんとサイキョーくん!①

「ほ、本当にキキなの!?」
「はい! 僕ですよ、主!」

 わたしの手をギュッと握って、すごく嬉しそうなキキ。
 うぅ。イケメンの笑顔、その破壊力たるや……!

 ポポッ
 わたしの顔が、思わず赤くなる。

 すると、とつぜんキキがわたしの前からいなくなった。
「あ~れ~」と空へ飛んで行くキキの代わりに現れたのは……ネコ千景くん。

「ひっかかったのかよ、どんくせーな」
「ご、ごめん……」

 ネコの手で、千景くんはスカートから小枝を外してくれる。
 まさに「猫の手を借りてる」状態……。

「ごめんね千景くん、ありがとう」
「!」

 お礼を言うと、千景くんはサッと目を逸らした。

「あとで、あの化けダヌキはシメる。
 先に妖怪だ、アイツを何とかしねーと……。
 いいか? 絶対に出てくるなよ」

 言い終わるやいなや、ネコの手に似合わない力で、千景くんは力強くわたしを押した。
 ゴロンと、わたしの体は上手いぐあいに花壇へ入る。

 無事にひまわりの中に隠れることは出来た。
 運のいいことに、わたしはまだ妖怪に見つかってない。
 だけど――

『みつけた……、見つけたぁあ!!』
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