こわがりちゃんとサイキョーくん!①
「ほほぅ、知り合いとな?」
「な訳あるか。と言いたいが、知っている。
この妖怪のこと……俺はイヤっていうほど知ってるぞ」
千景くんの猫目が、キッと鋭くなる。
その瞳に浮かんでいるのは――怒り。
「俺に呪いをかけた張本人。
それが、この妖怪ってこった」
「ほう」
「え!?」
まさか因縁の対決が、今ここで!?
ネコ千景くんが人間に戻れなくてイライラしてる、このタイミングで!?
これじゃまるで火に油だよ!
「クソ妖怪、会いたかったぞ……!」
呟くネコ千景くんの顔に、シワが寄る。
二股に分かれた大妖怪のシッポを見ながら【滅】の構えをした。
「俺に呪いをかけた妖怪――猫又!
今日こそ、この呪いを解いてやるからな!!」
すると、千景くんに会わせて大妖怪――猫又が『ギャオー!』と鳴いた。
どうやら、簡単に呪いを解くつもりはないらしい。戦う気マンマンだ。