お姫様が拾われると溺愛が始まるらしい
「あああっ、あの」


人に話しかけるのっていつぶりだろう。


すっごい緊張する。


内心ドキドキとしている中、去ろうとする彼の背中に声をかけた。


「……誰?」


「一年二組の日生純恋です。えっと……こ、これ」


不思議そうに私を見つめているから、私はおずおずと先生に頼まれていたノートとプリントを差し出した。


美術のプリントだったから探してたのかな?


私が差し出した青柳くんのノート。


それを不思議そうに見て受け取った。


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