お姫様が拾われると溺愛が始まるらしい
「日生さん気にしないでね!!日生さんが可愛いのは私が知ってるからさ!みんなごめんねー!」


強引に私の手を引いて教室を出た有馬さんは、靴を履いて走り始めた。


「暑いだろうし熱中症になったら危ないからマスクとメガネ外していいよ!」


「っ……あり、がとうっ」


やばい。


走るのが疲れすぎてぜぇ、はぁ、言ってしまう。


今日は調子いいからさすがに大丈夫だけど疲れるよ……!!


「つ、疲れたぁ……」


浜辺に着いた頃には私は息切れが止まらなくなっていた。


私の前にいる有馬さんは全然息切れをしていない。


運動不足すぎる。


ただひたすらにそう思う。
< 113 / 230 >

この作品をシェア

pagetop