お姫様が拾われると溺愛が始まるらしい
「あ、あっそ……」


「じゃあねっ……」


逃げるように背を向けて祭りの場所へ行く。


あんな所で出くわすなんていくらなんでも不運すぎる。


まさか界とか青柳くんに会ったりはしないよね……?


少し嫌な予感を感じさせながら向かっていると、すごく綺麗な女の子が男の子に囲まれていた。


「だから私友達と待ち合わせしてるんで!!」


「そんなこと言わずに俺たちと回ろうよ」


「だーかーらー!!」


「有馬さん!!」


怒りながら嫌がる有馬さんに大声で声をかける。


いつも大声なんて出さないし、自分でもこんな声が出るなんてびっくりしちゃった。
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