お姫様が拾われると溺愛が始まるらしい
楠くんは火を見たり薪を折ったりするので手一杯だから、私が有馬さんと青柳くんを見ないと行けなくなってしまっている……!?


「あ、有馬さん何してるの?」


「何って……人参の皮を剥いてるんだよ?」


ピーラーではなく包丁を片手に剥こうとしていて、ビクリと肩が震えた。


あんなの絶対怪我してしまう。


「有馬さん、ちょっとまってて」


「?はーい」


とりあえず先に終わりそうなお米をやってから、有馬さんの野菜をやろう。


「青柳くん、先にや……」


「……!」


青柳くんの方へ駆け寄った時、ちょうど振り返り、至近距離に青柳くんの顔が現れた。
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