お姫様が拾われると溺愛が始まるらしい
「純恋っ、危ない」


「わわっ」


混ぜていたら火のそばまで足が近づいていて、火傷しかけた所を彰が助けてくれた。


掴まれた腕が、その場所が熱くて痛い。


青柳くんが好きな私は彰の気持ちに応えられない。


そうしたら笑顔で笑えないかもだけど、正直に言いたい。


「そろそろいい感じじゃない?」


「そうだねー!!もう盛りつけよっ」


「有馬が失敗しまくったから遅れてるんだろ」


「えぇ?楠くんなんでそう思うの!?」


有馬さんは失敗した事をあまり自覚していないようで、私たちはみんなで笑った。
< 206 / 230 >

この作品をシェア

pagetop