お姫様が拾われると溺愛が始まるらしい
すると私の耳に顔を近づけて一言。


「助けて」


と。


え……ん?


助けてってこの状況を?


私が出来るわけがない。


関わりは無いし、というかそんなこと言ったら絶対虐められる。


ど、どうしよう。


とにかく彰に。


彰の肩を叩こうとした時、私の斜め前、彰の隣の女の子が机をバンッと叩いた。


すり寄っていた女の子たちは口を閉ざしてその子の方を見ている。


楠くんも驚いていた。


「いっつも言ってるけどここに群がるの辞めてくれる?迷惑なんだけど」


どうやらこの子は毎日迷惑をかけられているそうだ。


女の子はその子の言葉を聞いて自分の席に戻っていく。


静まったから感謝だ。
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