お姫様が拾われると溺愛が始まるらしい
内心ドキドキとしていると、予想通りの答えが返って来た。


「これを青柳に渡してくれないか?」


「青柳って同じクラスのあの人ですよね?今、移動教室で居ないんじゃないんですか?」


確か今、私のクラスは美術の時間のはず。


じゃあ美術室に居るはずだし渡せないと思うんだけど……。


「ああっ、そうか。じゃあ机に置いておいてくれ!!じゃあよろしく」


「あっ、ちょっと待ってくださいっ……」


手をヒラヒラと振って去っていってしまった楠本先生。


あの先生、少し強引な所があるからな。


というかこのノートとプリント机に置いたらいいんだよね?


それくらいならすぐ終わるし、体調が悪くなる前には間に合いそう。
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