Dear you,(拝啓、あなたへ)
「〜、これがこうなって〜」
気がつくと、授業中の教室にいた。日直が書いた黒板の日付を見ると5月8日とあった。やった、成功した。隣の席の真城をみるとスラスラ板書をしていてホッとした。
「南花、どうした?」
じいっと見つめていたわたしの視線に気が付いたのか声をかけていた。
「ううん、なんでもない」
「そうか」
1ヶ月後、真城は死ぬ。わたしが助けなくちゃ!


すべての授業が終わった〜!!
「なーみか!」
「柚乃!」
「どうしたの?」
「いやねぇ、カフェに行こうかと」
そうだ。この日は、カフェに行く予定だった。でも、私は残念な事に腹痛で行けなくなった。
あぁ、思い出すだけでお腹が痛くなる。
「行き、たいっ!」
「?無理しなくても、良いよ」
「え?」
気が付いているのだろうか。私がお腹痛い事に。でも、ここで断ったら後悔する。だから、
「行きたいの!今行かないときっと後悔するっ!」
「わ、分かった。無理しないでね?」
明らかに、変な態度をとってしまっただろうか?
「南花ー、柚乃ー。どうしたー?」
「真城」
「真城くん」
「えっとね、授業お疲れ様会をしようかと」
「おぉ、良いねー。俺も行って良いか?」
「うん!行こ行こ!」
「じゃ、決まりだな!」
行き先は、地元で有名な「パフェ〜sky〜」という店に決まった。
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