Dear you,(拝啓、あなたへ)
気が付くと、眠ってしまっていた。時刻は、翌日の16時になっていた。
下に行って、何か飲み物を飲もう、と思っていた時だった。
 ープルルルルルー
電話だ。誰だろう?、と思って画面をみると、「柚乃」という文字が書いてあった。
「もしもし」
遠慮気味な声が出た。
「あ、南花!あの、あのね…」
柚乃の声に嗚咽が混じっていて、何事か、と思った。
もしかしたら、私はこの先聞くお話を聞きたくなかったのかもしれない。
柚乃が言葉を続ける。
「真城、くん、の事なんだけど…。真城くん、亡くなっちゃったの…」
最後の言葉は震えていた。
真城が、死んだ?
その瞬間、目の前が真っ暗になり、世界は色褪せた。

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