Dear you,(拝啓、あなたへ)
数日後、紗南は死んだ。私は、13歳。紗南は、10歳だった。
家族みんな憔悴して、顔が真っ白になった。
紗南の病名は、小児脳幹グリオーマだった。紗南が亡くなってから知った。
そこで、夢から醒めた。
紗南ー、ポツリと呟く。
それからだった。私は、昼夜逆転の生活になった。


昼間は、少し寝たりした。夜は、朝の5時までゲームした。
お母さんからは、注意を受けていたけれどもうどうでもよかった。
気晴らしに、散歩に行った。
大きい道路の交差点で信号待ちをしているときだった。
「真城ー」
ポツリと呟いた。その瞬間だった。
「あなたは、真城さんを助けたい?」
現れたのは、天使の輪が頭上にあって白いドレスみたいな姿。天使みたい。誰だろう、誰かに似ている。
「誰?」
「あたしは天使」
天使ー。紗南の言葉が、脳裏で蘇った。
「天使さんが何のよう?」
「真城さんを助けてあげる」
「え、」
「でもね、条件があるの。それはね…」
その先の言葉は、気が遠のきそうな言葉だった。
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