この異世界ではネコが全てを解決するようです 〜ネコの一族になって癒やしの力を振りまいた結果〜
ところが、これを否定したのは疑いを掛けられたミットー一家ではなく、ミケランゼロだった。
「お前の言い分はもっともだが……私は、彼らが私利私欲からタマをいざこざに巻き込むなんて、ありえないと思っている」
「それは、どうして?」
まっすぐな少年の問いかけに、ミケランゼロも真摯に答える。
「ロメリアがメルを信じるのと同じだな。私が大切に思うものを、この三人も同じように大切にしてくれると信じている。ラーガスト王国との戦争を、私達はお互いの命を預け合い、信頼し合うことで乗り越え、生き延びてきたんだからな」
「へえ……」
敗戦国の王子であるトライアンは面白くなさそうな顔をする。
ベルンハルト人達の絆を否定することはなかったが、彼らを見る少年王子の目は厳しいままだった。
「でもさ、結局はあなた達の事情に巻き込まれて、タマコは攫われたんだよね?」
これには、大人達も反論の余地がない。
「トライアン殿下のおっしゃる通りでございます。メルとヒバート男爵の関係をここまで放置してしまったのがそもそもの間違いでしたな。戦時中は二人を引き離せていたためさほど問題に思いませんでしたが……この状況を招いたのは、完全に私の不徳のいたすところでございます」
「じゃあ、一刻も早くタマコを追いかけようよ! あなた達と違って、僕はそのメルって女、全然信用してないからね!」
「殿下方は、どうか本隊にお戻りください。倅が供をいたします。私とロメリアでメルを捕らえ、必ずやタマコ殿を保護いたします」
「いやだ! 僕も行く! ミットー公爵家だって信用できないっ!」
トライアンが掴み掛らんばかりに抗議すれば、ミットー公爵の肩に乗っていたチートが今度は彼に威嚇する。
トライアンを引っ掻かれては大変と、慌てて間に入った准将が猫パンチを食らっていた。
そんな中、ミケランゼロがある決断を下す。
「お前の言い分はもっともだが……私は、彼らが私利私欲からタマをいざこざに巻き込むなんて、ありえないと思っている」
「それは、どうして?」
まっすぐな少年の問いかけに、ミケランゼロも真摯に答える。
「ロメリアがメルを信じるのと同じだな。私が大切に思うものを、この三人も同じように大切にしてくれると信じている。ラーガスト王国との戦争を、私達はお互いの命を預け合い、信頼し合うことで乗り越え、生き延びてきたんだからな」
「へえ……」
敗戦国の王子であるトライアンは面白くなさそうな顔をする。
ベルンハルト人達の絆を否定することはなかったが、彼らを見る少年王子の目は厳しいままだった。
「でもさ、結局はあなた達の事情に巻き込まれて、タマコは攫われたんだよね?」
これには、大人達も反論の余地がない。
「トライアン殿下のおっしゃる通りでございます。メルとヒバート男爵の関係をここまで放置してしまったのがそもそもの間違いでしたな。戦時中は二人を引き離せていたためさほど問題に思いませんでしたが……この状況を招いたのは、完全に私の不徳のいたすところでございます」
「じゃあ、一刻も早くタマコを追いかけようよ! あなた達と違って、僕はそのメルって女、全然信用してないからね!」
「殿下方は、どうか本隊にお戻りください。倅が供をいたします。私とロメリアでメルを捕らえ、必ずやタマコ殿を保護いたします」
「いやだ! 僕も行く! ミットー公爵家だって信用できないっ!」
トライアンが掴み掛らんばかりに抗議すれば、ミットー公爵の肩に乗っていたチートが今度は彼に威嚇する。
トライアンを引っ掻かれては大変と、慌てて間に入った准将が猫パンチを食らっていた。
そんな中、ミケランゼロがある決断を下す。