この異世界ではネコが全てを解決するようです 〜ネコの一族になって癒やしの力を振りまいた結果〜
「あらあら、おネコさんもミケランゼロも、おタマちゃんが可愛くて仕方がないのねぇ」
向かいのソファからは、王妃様がくすくす笑いながら私達を眺めている。
その膝には、アッシュグレーの毛並みと青い瞳をしたロシアンブルーっぽい子がいた。
国王様の──そして、今は亡き第一王子レオナルドの髪や瞳の色を映したその子に、王妃様はレオと名付けた。
レオは王妃様に撫でられてゴロゴロと喉を鳴らしながら、私達を見て穏やかに微笑む。
『ふふふ……ちゃんと年下の子の面倒を見てえらいねぇ、ミケランゼロ』
「……どうも」
王妃様の負の感情──長男を亡くした悲しみや寂しさ、それを気に病む次男を心配する気持ちなどを食らって進化した彼は、レオナルドの概念を引き継いでいるせいか、ミケに対して初対面からお兄ちゃんムーブをかました。
『レオナルドは、ミケランゼロをとても愛していたからね。僕も、兄としてミケランゼロを愛するよ』
「そうだったな……兄上は、私をとても慈しんでくださった……」
うにゃっと笑い顔を作ったレオの言葉に、ミケがぽつりと小さく呟く。
レオナルドが自分を庇って亡くなったため、ミケにとって彼の記憶は罪悪感を呼び起こすものとなっていた。
しかし、レオがかつての兄のように振る舞うことで、彼に与えられてきた愛情や、一緒に過ごした穏やかな日々を思い出すことができるようになってきたらしい。
『ミケランゼロがこんな立派な男になって、レオナルドはきっと喜んでいるよ。間違いない。だって、彼の心を引き継いだ僕が、こんなに誇らしいんだもの』
「もったいなきお言葉」
兄ぶって褒めてくるモフモフに、ミケが苦笑いを返す。
ほろ酔い気分の私は彼の金髪をよしよしと撫でながら、兄といえば、と口を開いた。
向かいのソファからは、王妃様がくすくす笑いながら私達を眺めている。
その膝には、アッシュグレーの毛並みと青い瞳をしたロシアンブルーっぽい子がいた。
国王様の──そして、今は亡き第一王子レオナルドの髪や瞳の色を映したその子に、王妃様はレオと名付けた。
レオは王妃様に撫でられてゴロゴロと喉を鳴らしながら、私達を見て穏やかに微笑む。
『ふふふ……ちゃんと年下の子の面倒を見てえらいねぇ、ミケランゼロ』
「……どうも」
王妃様の負の感情──長男を亡くした悲しみや寂しさ、それを気に病む次男を心配する気持ちなどを食らって進化した彼は、レオナルドの概念を引き継いでいるせいか、ミケに対して初対面からお兄ちゃんムーブをかました。
『レオナルドは、ミケランゼロをとても愛していたからね。僕も、兄としてミケランゼロを愛するよ』
「そうだったな……兄上は、私をとても慈しんでくださった……」
うにゃっと笑い顔を作ったレオの言葉に、ミケがぽつりと小さく呟く。
レオナルドが自分を庇って亡くなったため、ミケにとって彼の記憶は罪悪感を呼び起こすものとなっていた。
しかし、レオがかつての兄のように振る舞うことで、彼に与えられてきた愛情や、一緒に過ごした穏やかな日々を思い出すことができるようになってきたらしい。
『ミケランゼロがこんな立派な男になって、レオナルドはきっと喜んでいるよ。間違いない。だって、彼の心を引き継いだ僕が、こんなに誇らしいんだもの』
「もったいなきお言葉」
兄ぶって褒めてくるモフモフに、ミケが苦笑いを返す。
ほろ酔い気分の私は彼の金髪をよしよしと撫でながら、兄といえば、と口を開いた。