この異世界ではネコが全てを解決するようです 〜ネコの一族になって癒やしの力を振りまいた結果〜
『あやつめ、あれから王妃にベッタリじゃな』
「そうだね。王妃様が少しでも慰められているといいけど……」
レオナルド王子が亡くなった話を聞いた時に王妃様を慰めた子ネコは、あれ以来頻繁に彼女に寄り添うようになっている。
私はそんな王妃様と子ネコから少し離れた場所に、ネコと残り四匹の子ネコ達、チートを抱っこした准将、ロメリアさん、そして……
「ねえ、タマコはどっちが勝つと思う?」
「え? えっとね……」
ラーガスト王国の末王子であるトラちゃんと横並びに座っていた。
トラちゃんを、ネコを膝に乗せた私と、チートを抱えた准将で挟む形だ。
彼の無邪気な質問に、私は思わず目を泳がせる。
すると反対隣から、こほん、と上品な咳払いが聞こえてきた。
「わたくしに気を使う必要などございませんわ、おタマ。わたくしも、メルではなく殿下が勝つと思っておりますから」
「あれっ、そうなんですか?」
「身内贔屓で現実を見誤るような無様な真似はいたしません。メルは強いですが、殿下とは比べるまでもありませんわ」
「えっ……?」
わっ! と会場中から歓声が上がり、私は慌ててアリーナへと視線を戻す。
ちょうど、カラン、と音を立てて模造刀が一本、石造りの舞台に転がったタイミングだった。
続いて膝を突いたのは、メルさん。
その喉元に、模造刀の切先を突きつけていたのは、ミケだ。
勝負あり! と審判が叫び、ミケの勝利が確定した。
わああっ……! とさらに歓声が膨れ上がる。
メルさんに手を差し伸べ健闘を讃え合うミケに、人々はますます熱狂した。
それに同調するように手を叩きながら、准将が口を開く。
「そうだね。王妃様が少しでも慰められているといいけど……」
レオナルド王子が亡くなった話を聞いた時に王妃様を慰めた子ネコは、あれ以来頻繁に彼女に寄り添うようになっている。
私はそんな王妃様と子ネコから少し離れた場所に、ネコと残り四匹の子ネコ達、チートを抱っこした准将、ロメリアさん、そして……
「ねえ、タマコはどっちが勝つと思う?」
「え? えっとね……」
ラーガスト王国の末王子であるトラちゃんと横並びに座っていた。
トラちゃんを、ネコを膝に乗せた私と、チートを抱えた准将で挟む形だ。
彼の無邪気な質問に、私は思わず目を泳がせる。
すると反対隣から、こほん、と上品な咳払いが聞こえてきた。
「わたくしに気を使う必要などございませんわ、おタマ。わたくしも、メルではなく殿下が勝つと思っておりますから」
「あれっ、そうなんですか?」
「身内贔屓で現実を見誤るような無様な真似はいたしません。メルは強いですが、殿下とは比べるまでもありませんわ」
「えっ……?」
わっ! と会場中から歓声が上がり、私は慌ててアリーナへと視線を戻す。
ちょうど、カラン、と音を立てて模造刀が一本、石造りの舞台に転がったタイミングだった。
続いて膝を突いたのは、メルさん。
その喉元に、模造刀の切先を突きつけていたのは、ミケだ。
勝負あり! と審判が叫び、ミケの勝利が確定した。
わああっ……! とさらに歓声が膨れ上がる。
メルさんに手を差し伸べ健闘を讃え合うミケに、人々はますます熱狂した。
それに同調するように手を叩きながら、准将が口を開く。