店長代理と世界一かわいい王子様 ~コーヒー一杯につき伝言一件承ります~
「ところで、これは熱いんじゃないかなぁ? いいや、絶対に熱いだろう。違いない」
「さて、どうでしょう。ミルクはだいたい六十五度を目安に温めておりますが……」
「あのねぇ、イヴ。ボクはねぇ、実を言うと猫舌でねぇ?」
「猫さんですものね。存じております」
笑みを深めてうんうんと愛想よく相槌を打つイヴの顔を、猫紳士は青い目をうるうるにして覗き込む。
彼らは、ちょうど同じくらいの背丈だ。
「ねえ、イヴ。お願いだよぉ。君のこの可愛らしい唇で、ふーふーしてくれないかなぁ?」
ところがここで、イヴの唇に触れようとしたモフモフの手を、横からガッと掴むものがあった。
こちらは、大きくて筋張った男の手である。
「さて、どうでしょう。ミルクはだいたい六十五度を目安に温めておりますが……」
「あのねぇ、イヴ。ボクはねぇ、実を言うと猫舌でねぇ?」
「猫さんですものね。存じております」
笑みを深めてうんうんと愛想よく相槌を打つイヴの顔を、猫紳士は青い目をうるうるにして覗き込む。
彼らは、ちょうど同じくらいの背丈だ。
「ねえ、イヴ。お願いだよぉ。君のこの可愛らしい唇で、ふーふーしてくれないかなぁ?」
ところがここで、イヴの唇に触れようとしたモフモフの手を、横からガッと掴むものがあった。
こちらは、大きくて筋張った男の手である。