店長代理と世界一かわいい王子様 ~コーヒー一杯につき伝言一件承ります~
「今夜、王都に住む相手の親御さんを訪ねて、縁談をお断りしてきます。相手の男性との顔合わせにも、行きません」
「は……?」
「きっと、親から勘当されるでしょう。どうか、慰めてくれませんか──と」
「え……?」
イヴが語った伝言の内容に、オズは呆けた顔をした。
彼は、ニコルが自分に寄越すのは決別の言葉だと思い込んでいたのだ。
今までありがとう、さようなら。
あるいは、この甲斐性なし、失望した、と。
それが聞きたくなくてイヴから逃げたというのに、実際に届いた伝言は思ってもみないものだった。
ただただ言葉を失う彼に、イヴは静かに続ける。
「ニコルさんが、今日注文なさったのは……カフェオレでした」
「えっ……カフェオレ? 彼女は、ブラック一択だったのに……?」
「は……?」
「きっと、親から勘当されるでしょう。どうか、慰めてくれませんか──と」
「え……?」
イヴが語った伝言の内容に、オズは呆けた顔をした。
彼は、ニコルが自分に寄越すのは決別の言葉だと思い込んでいたのだ。
今までありがとう、さようなら。
あるいは、この甲斐性なし、失望した、と。
それが聞きたくなくてイヴから逃げたというのに、実際に届いた伝言は思ってもみないものだった。
ただただ言葉を失う彼に、イヴは静かに続ける。
「ニコルさんが、今日注文なさったのは……カフェオレでした」
「えっ……カフェオレ? 彼女は、ブラック一択だったのに……?」