店長代理と世界一かわいい王子様 ~コーヒー一杯につき伝言一件承ります~
「はわわわ、で、殿下っ!? その、お姿は……!!」
ダミアンの顔が、たちまち薔薇色になる。
キツネ族とヤマネコ族の先祖返りと二股してまで付き合っていたことからもわかるように、彼は獣人に、もっと言うと先祖返りのフサフサの獣の耳に目がなかった。
そうして、イヴに乱暴な真似をされて、怒髪天を衝く様相で駆け付けたウィリアムの頭の上にも、この時──フサフサのオオカミの耳が立っていたのだ。
「殿下のお耳! なんとお美しい……っ!!」
「いや、黙れ」
ウィリアムは、床に転がったままうっとりと見上げてくるダミアンを心底嫌そうな顔で突き放す。
「そうです、黙ってください! ウィリアム様は〝かわいい〟んですよ! しかも、世界一です! 異論は認められませんっ!!」
「うん、イヴもちょっと落ち着こうか?」
カウンターから身を乗り出して口を挟んだイヴには遠い目をした。
もちろん、そんな光景を通りかかった多くの人々が見守っている。
あらあら、殿下。頑張って、と実に微笑ましく。
やがて、深々とため息を吐いたウィリアムは、背後に向かって顎をしゃくった。
「ダミアン・コナー。女性相手に乱暴を働いた上、脅迫するなど言語道断。恥を知れ。今宵一晩、留置所で己の行いを反省してくるんだな。──オズ、連れて行ってくれ」
「御意」
ダミアンの顔が、たちまち薔薇色になる。
キツネ族とヤマネコ族の先祖返りと二股してまで付き合っていたことからもわかるように、彼は獣人に、もっと言うと先祖返りのフサフサの獣の耳に目がなかった。
そうして、イヴに乱暴な真似をされて、怒髪天を衝く様相で駆け付けたウィリアムの頭の上にも、この時──フサフサのオオカミの耳が立っていたのだ。
「殿下のお耳! なんとお美しい……っ!!」
「いや、黙れ」
ウィリアムは、床に転がったままうっとりと見上げてくるダミアンを心底嫌そうな顔で突き放す。
「そうです、黙ってください! ウィリアム様は〝かわいい〟んですよ! しかも、世界一です! 異論は認められませんっ!!」
「うん、イヴもちょっと落ち着こうか?」
カウンターから身を乗り出して口を挟んだイヴには遠い目をした。
もちろん、そんな光景を通りかかった多くの人々が見守っている。
あらあら、殿下。頑張って、と実に微笑ましく。
やがて、深々とため息を吐いたウィリアムは、背後に向かって顎をしゃくった。
「ダミアン・コナー。女性相手に乱暴を働いた上、脅迫するなど言語道断。恥を知れ。今宵一晩、留置所で己の行いを反省してくるんだな。──オズ、連れて行ってくれ」
「御意」